店長から皆様へ
こんにちは。
「みんなの教科書屋さん」店長の片野坂和幸です。
このたびは、「みんなの教科書屋さん」を訪れてくださって、本当にありがとうございます。
数あるオンラインショップの中から、このお店を見つけてくださったことを、とてもうれしく思っています。
少しだけ、このお店を始めた理由についてお話しさせてください。
「学びたい人が、自由に学べる」とは限らない
突然ですが、
「勉強したい人が、自由に勉強できる」とは限らない。
私は、そのことを母から教わりました。
母は現在82歳です。
小学校、中学校の頃は読書が大好きで、図書館の偉人伝をほとんど読み尽くしたそうです。
当然、自分も高校へ進学できるものと思っていた。
けれど、四人きょうだいの中で、女だった母だけは高校へ行かせてもらえませんでした。
「女に学問はいらない。手に職をつけた方がいい」
そんな時代だったのです。
母は住み込みで理髪店に入り、その後、自分の店を持つまでになりました。
とても努力家だったのだと思います。
けれど、その一方で、
「本当はもっと勉強したかった」
という思いも、ずっと持ち続けていたように感じます。
だからこそ母は、私たち子どもには同じ思いをさせたくなかったのでしょう。
三人きょうだい全員を大学へ行かせるため、一生懸命働き、少しずつお金を貯めてくれました。
では、その私は、一生懸命勉強したのか。
正直、そんな立派な学生ではありませんでした。
大学へ行くことも、どこか「当たり前」のように感じていた気がします。
だから今になって思うのです。
学ぶことができる環境は、決して当たり前ではなかったのだな、と。
私自身も、50代になってから学び始めました
私自身も、20代から40代までは、家庭や仕事など、日々のさまざまなことに追われていました。
「もっと勉強したい」と思う余裕は、あまりなかったように思います。
改めて「学びたい」という気持ちや、知的好奇心のようなものを持つようになったのは、50代になってからでした。
そのきっかけのひとつが、教科書を扱う仕事に関わったことです。
いろいろな教科書を手に取っているうちに、私はあることに気づきました。
教科書って、実は大人にとっても面白い本なのではないか。
学校に通っていた頃には、「授業で使うもの」「テストのために勉強するもの」という印象が強かった教科書。
でも、大人になってから改めて開いてみると、意外な発見があります。
「あの頃は気づかなかったけれど、こんなことが書いてあったんだ」
そんなふうに感じることもあります。
そして、教科書には、単なる知識の羅列ではなく、それぞれの分野で積み重ねられてきた研究や経験が、体系的に整理されています。
専門家や教育関係者、多くの人々の知見が集められ、時代に合わせて更新されていく。
私は、教科書とは、いわば**「学びの基準点」**のようなものなのではないかと思うようになりました。
情報があふれる時代だからこそ
私たちは今、毎日のように膨大な情報に触れています。
インターネットやSNSを開けば、世界中の情報が瞬時に目の前に現れます。
便利な一方で、情報が多すぎるからこそ、
「これは本当に正しいのだろうか」
「自分に必要な情報はどれなのだろう」
と迷うこともあります。
だからこそ私は、教科書のように、物事の基礎や全体像を体系的に示してくれるものが、これからますます大切になるのではないかと思っています。
もちろん、教科書に書かれていることがすべてではありません。
そこから興味を持って、さらに本を読んだり、調べたり、自分自身で考えたりする。
そのための出発点として、教科書があってもいいのではないでしょうか。
「みんなの教科書屋さん」に込めた思い
私は、いわゆる読書家ではありません。
特別に知識や教養が豊富な人間でもありません。
ただ、50年以上生きてきた中で、人生について、社会について、人間について、「問い」を持つことが少しずつ増えてきました。
そして今は、その問いについて自分なりに考えたり、調べたりすることが楽しいと感じています。
大人の学び直しとは、誰かに教えてもらうことだけではなく、人生経験や知的好奇心を通して、自分自身で問いを立て、その答えを探していくことなのかもしれません。
母は今も新聞を読むことを楽しみにし、読書にも親しんでいます。
そんな母の姿を見ながら、私自身も学び直しを続けています。
「みんなの教科書屋さん」も、単に教科書を販売するだけのお店ではなく、
「もう一度、何かを学んでみようかな」
と思ったときに、気軽に立ち寄ってもらえるようなお店にしたいと思っています。
必要な教科書を探している方にも。
昔の教科書をもう一度読んでみたい方にも。
ニュースで気になったことを、少し深く知りたい方にも。
そして、これから何かを学んでみたいと思っている方にも。
このお店が、そんな**「学びの入口」**になれたらうれしいです。
私自身も、まだまだ学んでいる途中です。
このお店を通して皆さんと一緒に学びながら、少しずつ成長していければと思っています。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
これからも「みんなの教科書屋さん」を、どうぞよろしくお願いいたします。
2026年8月 店長 片野坂和幸